ハイスコープ
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ハイスコープアプローチ とは、子どもの発達原理を基本とし、また時代の変化とそれぞれの環境に合わせた柔軟なる発展の可能性をも含めた“オープン”な教育方法論です。ハイスコープアプローチは、1960年代にペリー幼稚園プログラムとしてデビッド・ワイカートという人により開発されました。そして現在も、ハイスコープ教育研究財団と呼ばれる研究機関を中心に、子供たちとの実際の関わり, 教師の養成, そして研究などを通して、引き続き様々なアイディアや実践が開発されています。

ハイスコープアプローチでは、 ジャン・ピアジェの研究に基づき、“子供”という存在を「自らが計画し実行し、そして起きた事象に関して考察する、その一連の過程を通してからこそ最も学ぶ事が出来る、能動的な学習者」として捉えています。従ってこのアプローチにおける大人の役割は、子どもの興味にあった活動の機会を提供し、必要に応じて子どもの学びを励まし促進し、そして、よりポジティブな“大人対子ども”の関わり合いを促すことにあります。『能動的学習』という概念は、“新しいアイディアと出会い環境や物と直接触れ、そしてそれら環境と関わり合う経験や過程における論理的思考の応用を通して、子供たちは学んでいく。”という信念に基づいているのです。

『能動的学習』は、物の操作・選択・言語化・大人の援助、などのいくつかの要素によって構成されると考えられています。よってハイスコープアプローチを採用する幼稚園/保育園では、教師主導型のアプローチは通常用いられず、むしろ、子供たちが物を実際に触って操る「経験重視」的なアプローチが尊重され、様々な教材や玩具が子供たちのために用意されます。また子供たちが積極的に教材や玩具と関わる傍ら、自分のしている事を言葉等で表現する事を励ますなど、周囲の大人たちは子供の言語発達と認知面の発達をサポートします。

ハイスコープアプローチでは、上記で述べたような方法の他にも、「計画−実行−レビュー」という大きな流れを中心とする毎日の日課を通して子供たちの能動的学習をサポートするのですが、まず最初の「計画」の段階では、自分が使いたい教材・玩具を選択するために言葉を用いる事が子供たちに促されます。これにより、自分の選択・意思を他者に伝えること、興味のあることを追求すること、そして自らの選択に基づいて主体的に行動する個人としての己を認識すること等について、一貫して子供たちに成長の機会が与えられるのです。次の「実行」の段階では、励まし・アイディアの拡張・問題解決機会の提供といった大人からのサポートを受けつつ、子供たち自身が自らが立てた計画を遂行していきます。そして活動が終った後のお片付けの時間は、「計画-実行−レビュー」というサイクルの最終段階として自然に組み込まれ、この時間に子供たちは使った教材や玩具をそれぞれの棚に戻します。

ハイスコープアプローチの日課の中に通常組み込まれる他の要素として、「小集団の時間」と「おあつまりの時間」があります。小集団の時間では、教師が特にその時間のために選んだ教材を用い、子供たちがその教材を自由に“研究”することができるような柔軟なアプローチで活動が進められ、この時間が教師と子供たちの間のより近い関係を築く役割を果たす事もあります。おあつまりの時間では、クラス全体が10〜15分程集まり、教師主導で全員でゲームをしたり歌を歌ったり、あるいは簡単な動き遊びをしたりします。

ハイスコープアプローチの基本的な枠組み(カリキュラム)は、クリエイティブな表現・言葉と読み書き・社会的関係と主導性・動き・音楽・分類・系列化・数字・空間・時間、といったいくつかの“基本的経験領域”に基づいて組み立てられています。子供たちの成長をサポート・助長するための教師の働きかけも、これらの経験領域を基本的な枠組みとして組み立てられます。



【参考資料】

ウェブサイト:
ハイスコープ教育研究財団
文献:
M. Hohmann & D.P. Weikart (1995). Educating Young Children: Active Learning Practices for Preschool and Child Care Programs. (* ISBN: 0-929816-91-9 ) 


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