"" テーマ2:
子ども/クラスメート/大人、それぞれの参加
  あなたの足跡:英語版ホームページ ""日本語版ホームページ""訳された内容""Joy""結果の要約""テーマ2

 

私たちは,重い障害をもつ子どもと健常児との間に友情関係が深まっていく様子を示す無数の感動的な観察を記録してきたが,また同時にそれらを量的に示す証拠も記録してきた。インクルーシブな地域の幼稚園・保育園と障害児用の幼稚園との併行通園が実施されていた期間に3つの研究が行われ,両方の園での同一幼児のコミュニケーション,活動への参加,友達との相互交渉が記録され比較された(Brooke, 1992; Stegemann, 1993; Wegner, 1991)。Brooke とStegemannの研究の中では,CEVIT(環境変数と相互交渉のテープによるコード化)(Kimura, 1991; Leon, 1992) という手法が用いられ、2つの園における同じ3人の幼児について相互交渉と環境変数がコード化された。それぞれの研究はそれぞれほぼ同時期の異なったエピソードをサンプルとして記録した。Stegemannの研究(1993)は,Wegner(1991)の研究と全く同じビデオ・エピソードを使用している。Wegnerの行った観察分析では,ビデオに収められたエピソードを一語一語書き写したトランスクリプトの分析を行っている。3つの研究とも2つの園におけるデータの比較を行い、統計的に見て有意差があるかどうかを検討した。その結果、インクルーシブな園の方が重い障害をもつ子どもにとって、社会性およびコミュニケーション面から見て、より望ましい環境を提供することが量的にもそして質的にも示され、さらにはインクルーシブな園が、高い質をもった障害児教育プログラムにも匹敵する環境を提供することが示された。3つの研究から分かったもっとも興味深い結論は以下のように要約される。

  • 障害児用の幼稚園よりもインクルーシブな地域の幼稚園・保育園での方が,重い障害をもつ子どもたちは統計的に見ても有意に多くの友達をつくり、多くのコミュニケーション・相互交渉の機会をもった。

  • 障害をもった子どもたちはインクルーシブな地域の幼稚園・保育園にいる時の方が、自分から行動を開始することが多く,またクラスでの活動にもより積極的に参加した。

  • 障害児用の幼稚園にいる時よりもインクルーシブな地域の幼稚園・保育園にいる時の方が、障害をもった子どもたちがその他の友だちと関わろうとすることがより多かった。

  • インクルーシブな地域の幼稚園・保育園にいる時よりも障害児用の幼稚園にいる時の方が、障害をもった子どもたちが大人と関わろうとすることがより多かった。

  • 統計的な有意差まではみられなかったものの、重い障害をもつ子どもが一つの活動に集中している時間の長さは,障害児用の幼稚園にいる時より地域の幼稚園・保育園での方が一貫して長かった。さらに、インクルージョン実施後時間の経過とともに、子供達はさらに長い時間、地域の幼稚園・保育園のクラスでの活動に参加するようになる傾向がみられた 。

  • インクルージョンを実施する地域の幼稚園・保育園における子供達のもつニーズにあわせた工夫(例えば,姿勢保持具,コミュニケーション補助具,扱いやすさを高めた教材・玩具)は,質の高い障害児用幼稚園の教室において子供達に提供された工夫と同レベルのものが提供されていた。さらに身体的に重い障害をもつ子どもは,地域の幼稚園・保育園にいる時の方がより多くの時間を車椅子から降りて過ごし、他の子供達と同じように床上や机上での活動に参加する時間をもった。

  • 障害児用の幼稚園における大人のヘルパー(クラスの担任教師、補助教師、あるいは子ども担当のヘルパーなど。)と比較すると,インクルーシブな地域の幼稚園・保育園における大人のヘルパーの方が,障害をもった子どもとコミュニケーションする時に、より、子どものコミュニケーション意欲やスキルが助長されるような関わり方をすることが観察された。つまり、子どもたちの反応を促したり,選択肢を提示して子どもに選択の機会を提供したり,他の友だちがその子どもに対する興味を大人に向けてきた時に直接その子どもとコミュニケーションするように促したり、あるいは子どもの言葉によらないコミュニケーション(ジェスチャー、発声、視線の動きなどによるコミュニケーション)を適切にその意図を解釈したり、というようなことを障害児用の幼稚園で働く大人よりも統計的に有意に高い頻度で行った。

  • 地域の幼稚園・保育園の大人のヘルパーと比べると、障害児用のプログラムで働く大人たちの方が,重い障害をもつ子どもとの相互交渉においてより指示的であった。つまり、子供達に指示や要求を与えることが、地域の幼稚園・保育園で働く大人たちよりも統計的に有意に多く観察された 。

  • インクルージョンを実施する地域の幼稚園・保育園における健常児の方が、障害児用の幼稚園で"ピアパートナー"として参加する健常児よりも,より多く自発的に障害をもった友だちとの関わりをもったり、順番に何かに一緒に参加したり、障害をもったお友達の手助けを提供することが観察された 。

 

前のテーマを読む次のテーマを読む

 

  あなたの足跡:英語版ホームページ ""日本語版ホームページ""訳された内容""Joy""結果の要約""テーマ2

コピーライト©2002, University of Kansas, Circle of Inclusion Project.
このウェブサイトに掲載されている情報、資料等の非営利的使用および複製について、断りがない限り許可を申請する必要はありません(写真は除く)。どうぞご自由にお使いください。当サイトの内容を引用の際は、引用元(カンサス大学、サークル・オブ・インクルージョンプロジェクト)の呈示をお願いいたします。

みなさんのコメントや質問等、どしどしこちらまでおよせください。mahomaho@cogeco.ca